勤務予定の升目、時間の集計、確認票が一本の緑の線でつながる抽象イラスト

Column / 福祉事業所の運営

勤務形態一覧表の書き方
常勤換算と勤務時間を、根拠から確認する手順

公開日: 2026-09-10 テーマ: 勤務形態一覧表 / 常勤換算 / 人員配置 / 障害児通所支援 読了: 約8分

勤務形態一覧表の欄は埋まっているのに、常勤換算の数字がどの勤務時間から出たのか説明しにくい。予定表にはいる職員が出勤簿では休みになり、兼務時間の内訳が別の表にある。月末にこうした差が重なると、一覧表だけを見ても人員配置の実態を確かめられません。

この記事では、障害児通所支援を中心に、勤務区分、勤務延べ時間数、常勤換算、実績の順で根拠をたどれる書き方を整理します。様式をきれいに埋めることより、数字が元の記録と一致していることを大切にします。

Quick answer

先に勤務区分を分け、対象業務の勤務延べ時間数を集計し、事業所の常勤時間で除して常勤換算を確認します。

  • 常勤・非常勤専従・兼務は別の軸として記載します。
  • 常勤換算の分子は、対象サービスに従事する時間として勤務表上で明確になっている時間です。
  • 予定だけで確定せず、月末に出勤簿、休暇、兼務の内訳、資格証、加算届と照合します。
  • 様式、端数処理、対象期間は指定権者やサービス種別で異なるため、最新の提出様式を先に確認します。

一覧表は埋まっていても、数字の出どころが見えにくいことがあります

勤務形態一覧表には、職種、勤務形態、日ごとの勤務時間、週または月の合計、常勤換算後の人数などが並びます。入力欄が多いため、先に表へ数字を入れると、あとで「この4時間はどの職務か」「兼務した時間を二重に数えていないか」を追いにくくなります。

先に確認したいのは様式の所在です。同じ「勤務形態一覧表」でも、指定権者、サービス種別、申請・届出・運営指導の用途で項目が異なります。過去のファイルを複製する前に、所管自治体の最新ページから対象様式を取得します。運営指導全体の準備は運営指導で見られる記録の準備にもまとめています。

常勤・非常勤と、専従・兼務を分けて考えます

確認する軸見ていること根拠にする記録
常勤・非常勤事業所で定める常勤の勤務時間に達しているか就業規則、雇用契約、勤務予定
専従・兼務対象サービス以外の職務を兼ねているか職務分掌、勤務表、兼務時間の内訳
職種・資格配置上の職種と資格の事実が一致するか資格証、辞令、雇用記録

「常勤だから専従」「非常勤だから兼務」とは限りません。二つの軸を一度に決めず、雇用上の勤務時間と、実際に担う職務を分けて確認します。管理者と児童発達支援管理責任者を兼ねる場合なども、役職名だけで時間を推測せず、勤務表上の内訳に戻ります。

常勤換算は、対象業務の時間を分子にします

こども家庭庁が公開する指定通所支援基準の解釈通知では、常勤換算方法を、従業者の勤務延べ時間数を、事業所で常勤の従業者が勤務すべき時間数で除する方法としています。常勤時間が週40時間の事業所で、対象業務の勤務延べ時間数が週72時間なら、計算は72÷40で1.8です。これは計算方法を示す例であり、必要配置数を示すものではありません。

分子へ入れるのは、指定通所支援の提供に従事する時間、または提供の準備や待機として勤務表上で明確に位置付けられた時間です。一人について算入できる時間は、その事業所の常勤時間が上限とされています。複数職務を兼ねる時間を両方へ足すのではなく、どの時間がどの業務に対応するかを先に分けます。

通知では、事業所の常勤時間が週32時間を下回る場合は32時間を基本とする考え方や、育児・介護・治療のための所定労働時間短縮等が講じられている場合の特例も示されています。週30時間以上を1として扱える条件がありますが、対象となる制度と職員の状態を確認せず一律に適用しません。端数処理も含め、使用する様式の注記と指定権者の案内を優先します。

書く順番を固定すると、差の場所が分かります

  1. 対象期間と常勤時間を固定する。様式の対象月、週の扱い、事業所で定める常勤時間を先頭に置きます。
  2. 職員ごとの区分を確かめる。職種、資格、常勤・非常勤、専従・兼務を根拠書類から記載します。
  3. 対象業務の時間を日ごとに置く。兼務がある日は、合計だけでなく内訳へ戻れる印を付けます。
  4. 勤務延べ時間数を集計する。同じ時間の二重計上と、一人あたりの上限を確認します。
  5. 常勤換算を計算する。使用した分子と分母、端数処理のルールを同じ確認欄に残します。

一覧表のセルに説明を詰め込む必要はありません。職員ごとに「雇用記録」「資格証」「兼務内訳」「出勤実績」の保存先を示す記録IDがあれば、数字から根拠へ戻れます。個別支援計画の期限管理も、同じように日付と根拠を一行で追う方法が使えます。 保存先の名称を職員間で揃えておくと、担当者が不在の日にも同じ根拠を確認できます。

予定表と実績表の差は、月末に一度だけ揃えます

月初に作る勤務予定は、休暇、欠勤、応援、兼務変更で実績とずれることがあります。予定表を実績に見せるのではなく、変更前と変更後を分け、出勤簿や業務記録と照らして確定版を残します。差があった日は、理由、変更した配置、確認者、確認日を短く記録します。

同じ月のサービス提供実績記録票・支援記録・請求支援記録、加算届の対象職員も並べて見ると、配置と提供実績のずれを見つけやすくなります。委員会や研修の参加時間を扱う場合は、虐待防止委員会・研修の記録と日付を照合します。

AIは集計候補を作り、配置判断は人が確定します

AIや表計算は、日ごとの時間を集計する、空欄や重複を探す、予定と実績の差を一覧にする補助に向いています。一方で、どの職務時間を算入できるか、兼務が基準を満たすか、加算の配置として認められるかは、サービス種別と個別事情に基づく判断です。元データ、計算式、差分を人が確認できる状態を残します。

氏名、障害情報、家庭状況などを外部サービスへそのまま渡さず、職員IDと時間だけで扱える範囲を先に決めます。個人情報を扱う前の線引きは福祉現場でAIを使うときの個人情報とリスクで確認できます。

いま使っている勤務表を残しながら、集計と確認の順番を整えられます。
YORIAIのAI業務内製化支援では、元の様式、計算根拠、人の確認点を分け、事業所内で続けられる運用に整えます。

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勤務形態一覧表は、人数を合わせるための表ではなく、誰が、どの職務に、どの時間従事したかを確認する入口です。区分を分け、対象時間を集計し、実績と照らし、数字から根拠へ戻れるようにする。この順番があれば、月末の確認と運営指導の準備を同じ記録で進められます。

よくある質問

常勤換算は、どのように計算しますか?
対象サービスに従事する従業者の勤務延べ時間数を、その事業所で常勤の従業者が勤務すべき時間数で除します。たとえば常勤時間が週40時間で、対象業務の勤務延べ時間数が週72時間なら1.8です。必要配置数を示す例ではありません。算入できる時間、対象期間、端数処理はサービス種別と指定権者の最新様式・通知で確認します。
常勤と専従は同じ意味ですか?
同じ意味ではありません。常勤・非常勤は、事業所で定める常勤の勤務時間に達しているかを見る軸です。専従・兼務は、対象サービス以外の職務を兼ねているかを見る軸です。常勤兼務、非常勤専従などの組み合わせがあるため、雇用上の勤務時間と実際の職務を分けて確認します。
勤務延べ時間数には、どの時間を含めますか?
指定通所支援の提供に従事する時間、または提供の準備や待機として勤務表上で明確に位置付けられた時間の合計です。一人について算入できる時間は、事業所の常勤時間が上限とされています。兼務時間を二重に数えず、どの業務に対応する時間かが分かる内訳を残します。
勤務形態一覧表は予定と実績のどちらで作りますか?
用途と指定権者の様式に従います。月初の勤務予定を作った後、休暇、欠勤、応援、兼務変更などの実績差を出勤簿や業務記録と照合し、確定版を残します。予定を実績に見せず、変更理由、変更後の配置、確認者、確認日を追えるようにします。申請・変更届・運営指導で様式が異なる場合があるため、提出先の最新案内を先に確認します。

参照した一次情報

  • こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(令和6年度改正)
  • こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)の改定事項の概要について」
  • 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」
  • 横浜市「障害児通所支援事業 運営指導 勤務実績表(人員配置確認シート)」

この記事は2026年9月10日時点の国・自治体の公開資料にもとづく一般的な整理です。使用する様式、対象期間、算入できる勤務時間、端数処理、人員・加算要件は、指定権者、サービス種別、個別の勤務体制で異なります。最新の公式資料と所管の窓口で確認し、事業所の就業規則や専門家の確認とあわせてご利用ください。