Quick answer

支援記録は「事実」「解釈」「次の支援」の3つに分けます。AIに渡せるのは事実の行だけです。

  • 一行目に事実(何をした・何が起きた・回数や時間)、二行目に解釈(どう受け取ったか)、三行目に次の支援。
  • AIに渡すのは事実の行の整文と、月次・半年分の事実の拾い出し。解釈と次の支援は、その人を見ていた職員が書きます。
  • 氏名・生年月日・受給者証番号・診断名は入れず、記録IDと事実だけを渡します。
  • 分けておくと、モニタリングや運営指導で半年分を読み返す時間が減ります。

記録は「あとで使える形」にする

その日の出来事を残すだけなら、記録はメモで終わってしまいます。AI導入で目指すのは、日々の記録が計画書、モニタリング、ケース会議に戻って使える状態です。

そのためには、AIに文章を整えさせる前に、観察事実、支援者の見立て、次回の支援を分けて入力します。

AIが得意なのは、抜け漏れと要約

記録が長くなったとき、AIは重要な出来事を要約したり、同じ傾向が続いているかを拾ったりできます。複数日の記録から「活動開始時に不安が強い」「切り替え場面で声かけが効きやすい」などの傾向を抽出することもできます。

ただし、AIが見つけた傾向は仮説です。実際の記録や職員の観察と照合して、人が採用するかを決めます。

記録の質は、計画書の質に直結する

個別支援計画書をAIで下書きする場合も、材料になるのは支援記録です。日々の記録が「楽しく過ごした」だけでは、AIも具体的な目標を作れません。

支援記録の型を整えることは、単なる時短ではなく、計画・評価・保護者説明の質を支える土台づくりです。

現場で始めるときの順番

  1. その場で見た事実を短く残す
  2. 支援者の見立てを事実とは別の欄に置く
  3. AIに要約、分類、次回支援案を出させる
  4. 採用する内容だけを人が選び、根拠記録に戻れるよう保存する

事実の行と解釈の行を、実際の記録で分けてみます

分ける前と後を並べると、違いがはっきりします。

分ける前事実解釈次の支援
午後は落ち着かず、作業に集中できていなかった。声かけで少し戻った。13時〜14時の作業中、席を離れることが3回あった。13時40分に声かけを1回行い、その後14時まで着席した。午前の来所時から表情が硬く、前日の予定変更が影響している可能性がある。明日の朝、予定の変更がないかを本人と一緒に確認する。
今日は調子がよく、みんなと楽しそうだった。10時の集団活動で、順番を待つ場面が2回あり、いずれも待てた。他の利用者に自分から話しかける場面が1回あった。先週から続けている順番待ちの練習が定着してきている。来週も同じ活動を続け、待てた回数を記録する。

事実の行には、数と時刻が入ります。ここだけがAIに渡せる部分で、解釈と次の支援はその人を見ていた職員にしか書けません。書き方の例は支援記録の書き方・記入例に、就労B型・生活介護・放デイごとに置いています。

AIに渡す前に、様式と入力ルールを決めます

  1. 記録様式に「事実」「解釈」「次の支援」の3つの欄を作る。既存様式の1欄を3行に分けるだけでも構いません
  2. 入力してよい情報を決める。記録ID、日付、事実の行だけ。氏名・生年月日・受給者証番号・診断名・家族の情報は入れない
  3. AIに頼む工程を決める。事実の行の整文(内容を変えない)、月次の事実の一覧化、様式との不一致の点検
  4. 確認する人と順番を決める。出力は下書きとして、書いた職員が元のメモと照らし、サービス管理責任者が確認してから正式な記録にする

入力ルールの考え方は福祉現場でAIを使うときの個人情報とリスクとチェックリストにまとめています。

分けておくと、モニタリング・実績記録票・運営指導が軽くなります

支援記録を3つに分ける効果は、記録が読みやすくなることだけではありません。

  • モニタリング: 半年分の事実の行だけを拾えば、達成の根拠と未達の根拠が並びます。個別支援計画の見直しが駆け込みでなくなります(未作成減算を防ぐ運用)
  • サービス提供実績記録票: 提供日・時刻・送迎の有無が事実の行にあるので、実績票と請求の突き合わせが週1回10分で済みます(実績記録票の書き方)
  • 運営指導: 記録が計画に沿っているかを、事実の行と計画の目標を並べて示せます(運営指導で見られる記録)

導入後1か月で見直すこと

  • 事実の行に解釈が混ざっていないか。「落ち着かない」「楽しそう」は解釈です。数と時刻に直せるかを確かめます
  • AIの整文で内容が変わっていないか。件数を残し、変わっていた例は指示文の制約に足します
  • 1件あたりの記録時間。導入前と同じ担当・同じ様式で測ります

渡す工程が増えても、決める工程は減りません。そこを守れているかが、続くかどうかの分かれ目です。

AIは下書きと整理の道具です。支援方針、制度判断、保護者説明、提出可否の最終判断は人が担います。YORIAIのAI業務効率化支援では、プロンプトだけでなく、入力ルール、確認表、運用手順を現場に残します。

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書類業務を、現場で回せるAI運用へ。

YORIAIは、福祉事業所の書類作業をAIで効率化する導入支援を提供しています。まずは書類を1つ選び、下書き・要約・整理のどこにAIを使えるかを確認します。

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よくある質問

支援記録をAIに書かせてもよいですか?
支援記録は一枚の中で性質が変わるため、書類まるごとで可否を決めずに、事実・解釈・次の支援の3つに分けて考えます。その日に起きた事実を整える部分はAIに下書きを任せられます。解釈と次の支援は、その人を見ていた職員にしか書けません。出力は必ず元のメモと照らして人が確認します。
事実と解釈は、どう見分ければよいですか?
数と時刻に直せるかで見分けます。「席を離れることが3回あった」「13時40分に声かけを1回行った」は事実で、「落ち着かない」「調子がよい」は解釈です。解釈が悪いのではなく、行を分けて書くことで、あとから読む人が事実に戻れるようにします。
AIに入力してはいけない情報は何ですか?
氏名、生年月日、住所、受給者証番号、診断名、家族の情報、写真などの個人を特定できる情報です。記録IDと日付、事実の行だけを渡します。利用するツールが入力内容を学習に使わない設定になっているかも、導入前に確認します。詳しくは福祉AI導入チェックリストで確認できます。
記録を3つに分けると、他の業務にも効きますか?
効きます。個別支援計画のモニタリングでは半年分の事実の行だけを拾えばよくなり、サービス提供実績記録票との突き合わせは提供日・時刻・送迎の有無が事実の行にあるので短時間で済み、運営指導では記録が計画に沿っていることを事実の行と目標を並べて示せます。