1. 入れない情報を決める
氏名、住所、電話番号、生年月日、受給者証番号、診断名、家庭状況などを、どう伏せるかを決めます。仮名化だけで十分とみなさず、組み合わせで本人が推測されないかを確認します。
AI Risk Checklist / 2026
放課後等デイサービス、児童発達支援、障害福祉サービスの書類業務に生成AIを使う前に、 個人情報、要配慮情報、ハルシネーション、人の確認、保護者説明を先に決めるためのチェックリストです。
これは法令遵守を保証する資料ではありません。現場で最初に確認する実務メモとして使い、 事業所の規程、契約、自治体や専門家の確認と組み合わせてください。
First Decision
生成AIの導入で最初に決めるべきことは、ツール名よりも運用の線引きです。 誰の情報を、どの粒度で、どのツールに入れてよいのか。出てきた文章を誰が確認し、正式記録に何を残すのか。 ここが曖昧なまま個別支援計画書や支援記録に使うと、効率化より先にリスクが増えます。
氏名、住所、電話番号、生年月日、受給者証番号、診断名、家庭状況などを、どう伏せるかを決めます。仮名化だけで十分とみなさず、組み合わせで本人が推測されないかを確認します。
AI出力は下書きです。記録、アセスメント、本人や保護者の意向と照らし、人が修正してから正式な書類にします。
どの材料を渡し、どこを人が直し、誰が確認したか。事故時にも保護者説明時にも、説明できる痕跡を残します。
Checklist
事業所内の初回ミーティングで、そのまま確認できる形にしています。すべてを完璧に作ってから始める必要はありませんが、 「未決のまま使い始めている項目」を見えるようにしてください。
| 区分 | 確認すること | 担当 | 残す証拠 |
|---|---|---|---|
| 入力禁止情報 | 氏名・住所・電話番号・生年月日・受給者証番号などを生成AIに入れない。 | 管理者 | 入力ルール・職員向け掲示 |
| 要配慮情報 | 診断名・障害特性・家族状況・医療情報は必要性を確認し、原則抽象化する。 | 児発管・サビ管 | 匿名化テンプレート |
| 匿名化の限界 | イニシャルや仮名だけで安全とみなさず、組み合わせで再識別されないか見る。 | 管理者 | 入力前チェック欄 |
| ツール選定 | 入力データの学習利用、保存期間、管理者設定、契約条件を確認する。 | 管理者・法人本部 | ツール選定メモ |
| 人の確認 | AI出力は下書き扱いとし、記録・アセスメント・本人/保護者意向と照合する。 | 児発管・サビ管 | 確認チェック欄 |
| 根拠の明示 | AIに渡した材料と、出力の修正理由を残す。 | 作成担当者 | 作成ログ・修正メモ |
| 記録転記 | AI出力をそのまま正式記録へ貼らず、人が整えた最終版だけを保存する。 | 作成担当者 | 記録運用手順 |
| 保護者説明 | AI利用の範囲、入力しない情報、最終確認者を説明できる文面を用意する。 | 管理者 | 説明文テンプレート |
| 職員研修 | 使ってよい業務、使わない業務、相談先を10分で確認できる研修を行う。 | 管理者 | 研修記録 |
| 事故対応 | 誤入力、漏えい疑い、誤出力の発見時に止める手順と連絡先を決める。 | 管理者 | インシデント対応表 |
| 見直し | 月1回または様式変更時に、ルールとプロンプトを見直す。 | 管理者・担当者 | 月次レビュー記録 |
Use Cases
AIは支援方針を決める人ではありません。アセスメントの要約、長期目標と短期目標の表現整理、保護者向けの言い換えに使い、本人や保護者の願い、専門職の判断、最終確認は人が持ちます。
現場メモを保護者に伝わる文章へ整える用途は相性があります。ただし、診断名や家庭状況を不要に入れず、AIが補った推測表現は削除します。
様式の下書きや抜け漏れ確認には使えます。提出値、加算要件、法令解釈はAIの出力を根拠にせず、公式資料、自治体通知、専門職の確認に戻します。
Official Sources
このチェックリストは、福祉事業所が現場で最初に使えるよう、以下の公的資料を実務項目に落としたものです。 最新の制度判断や個別ケースは、必ず原典と専門家確認に戻してください。
生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について。生成AI利用時の個人情報の扱いを確認する出発点です。
テキスト生成AI利活用におけるリスクへの対策ガイドブック。生成AI活用時に想定されるリスクと対応策の整理に使います。
AI事業者ガイドライン第1.2版。リスク分析、透明性、アカウンタビリティ、継続的な見直しの考え方を確認します。
福祉分野における個人情報保護に関するガイドライン。福祉関係事業者の安全管理措置、従業者監督、委託先監督の確認に使います。
FAQ
なりません。これは最初の確認項目です。事業所の規程、契約、自治体確認、顧問や専門家の判断と組み合わせて使ってください。
ツール名だけでは判断できません。入力データの学習利用、保存期間、管理者設定、利用規約、職員アカウント管理を確認してから使う範囲を決めます。
完全にはなくせません。AIには記録にある事実だけを渡し、出力を一文ずつ記録と照合し、推測表現や根拠のない断定を削除します。
まず1業務、1様式、1担当者で始めます。入力テンプレート、出力確認欄、事故時の相談先をセットで置き、月次で見直します。
Next Step
YORIAIのAI内製化支援では、最初に業務棚卸しと入力ルールを作り、個別支援計画書、連絡帳、支援記録など、 現場が自分たちで回せる範囲からAIを入れます。道具を売る前に、使い方の責任線を引きます。