Quick answer
AIに渡すのは「集める」と「整える」。目標を決めるのと、同意を得るのは人に残ります。
- 下書きの前に、アセスメント・本人と家族の願い・直近の支援記録・前回計画の評価・事業所の方針の5つを分けて用意します。
- AIに渡すのは、記録から事実を拾って並べる工程と、決まった目標を伝わる言葉に整える工程です。
- 目標の設定、支援方針の判断、説明と同意、交付は人が行います。責任はAIを使っても変わりません。
- 氏名・生年月日・受給者証番号・診断名は入力せず、記録IDと事実だけを渡します。出力は下書きとして職員が確認してから使います。
AIに任せてよい部分と、人が決める部分を分ける
AIは、事実の整理、文章の下書き、表現の言い換え、抜け漏れ確認に向いています。一方で、本人の願いをどう受け止めるか、支援方針をどう決めるか、優先順位をどう置くかは、現場の専門職が担う領域です。
この境界を曖昧にしたままAIを使うと、きれいな文章なのに支援として弱い計画書ができてしまいます。YORIAIでは、AIを「決める道具」ではなく「考えを整える道具」として使います。
下書き前にそろえる5つの材料
最初に集めるのは、アセスメント、本人・保護者の願い、直近の支援記録、前回計画の評価、事業所としての支援方針です。これらを分けて渡すだけで、AIの下書きは大きく安定します。
特に重要なのは、事実と解釈を混ぜないことです。「最近落ち着かない」は解釈を含みます。「活動開始から10分以内に席を離れることが3回あった」のように、記録から拾える形に直すと、支援目標も具体化しやすくなります。
AI下書きの確認ポイント
確認では、本人の言葉が消えていないか、5領域とのつながりが不自然でないか、支援者都合の目標になっていないかを見ます。文章が整っていることと、支援として妥当であることは別です。
個人情報やハルシネーションのリスクは、福祉AI導入チェックリストで別途確認します。AIがもっともらしく補った内容は、必ず記録に戻って確かめます。
現場で始めるときの順番
- 材料を「本人像・願い・記録・評価・方針」に分ける
- AIに下書きさせる前に、入れてはいけない個人情報を外す
- 長期目標と短期目標を、人が読んで支援場面に戻せる言葉へ直す
- 児発管・管理者が最終確認し、根拠記録に戻れる状態で保存する
様式のどの欄をAIに渡せるか、欄ごとに分けます
個別支援計画書は一枚に見えて、性質の違う欄が並んでいます。欄ごとに「渡せる」「人に残る」を分けると、迷いが減ります。
| 欄 | AIに渡せる工程 | 人に残る工程 |
|---|---|---|
| 本人・家族の意向 | 面談メモの整文(言い換え・誤字の修正) | 意向そのものの聞き取り。言葉を変えない判断 |
| 総合的な支援方針 | 前回計画と評価を並べた材料表 | 方針の決定と理由 |
| 長期目標・短期目標 | 決まった目標を本人に伝わる言葉へ言い換える | 目標の設定、達成度の評価 |
| 支援内容・留意事項 | 支援記録の事実欄から、実施している支援を拾い出す | 優先順位、追加・中止の判断 |
| 担当者・期間・同意欄 | 記載漏れの点検 | 説明、同意、交付 |
渡す側の工程だけ、入力してよい情報と確認する人を決めます。人に残す側は、いまのやり方を変えずに済みます。
下書きの指示文には、材料と制約を分けて書きます
うまくいかない指示文の多くは、材料と制約が混ざっています。材料(事実)を先に置き、制約(書き方)を後に置くと、出力が安定します。
- 材料: 記録IDごとの事実(出席状況、できたこと、支援が必要だった場面)を箇条書きで渡す
- 前回の目標と、それに対する評価の材料(達成の根拠・未達の根拠)を渡す
- 制約: 様式の欄名、文字数、敬体、専門用語を保護者向けに言い換える、推測を書かない
- 出力形式: 欄ごとに分け、根拠となった事実の番号を添える
根拠の番号を添えさせると、確認するときに記録へ戻れます。個別支援計画書AIプロンプト・確認シートに、指示文の例と確認8項目を置いています。
失敗しやすいのは、下書きの質より「期限」と「同意の記録」です
AIで下書きが速くなっても、計画の期限管理と同意・交付の記録が抜けていると、未作成減算の対象になります。計画は原案・同意・交付・モニタリングの4つの日付が揃ってはじめて「作成した」ことになります。
利用者一覧に「次のモニタリング予定日」の列を足し、毎週同じ曜日に開く。この運用があってはじめて、AIの下書きが効いてきます。詳しくは個別支援計画の未作成減算を防ぐにまとめています。
日々の支援記録を「事実の行」と「解釈の行」に分けておくと、半年分を集め直す時間が減ります。書き方は支援記録の書き方・記入例にあります。
導入後1か月で見直すこと
最初の1か月は、1人の利用者・1つの様式だけで試します。見直すのは次の3点です。
- 下書きから完成までの修正回数。多いなら、材料の渡し方(事実が足りない)か制約(書き方の指定が曖昧)のどちらかです
- 確認で見つかった事実の誤り。件数と種類を残し、指示文の制約に足します
- 作成時間。導入前と同じ様式・同じ担当で測り、短くなっていなければ渡す工程を見直します
AIに任せる範囲の考え方は療育の現場で、AIに任せていい仕事・任せてはいけない仕事で、入力してよい情報の線引きは個人情報とリスクの考え方で扱っています。
AIは下書きと整理の道具です。支援方針、制度判断、保護者説明、提出可否の最終判断は人が担います。YORIAIのAI業務効率化支援では、プロンプトだけでなく、入力ルール、確認表、運用手順を現場に残します。
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書類業務を、現場で回せるAI運用へ。
YORIAIは、福祉事業所の書類作業をAIで効率化する導入支援を提供しています。まずは書類を1つ選び、下書き・要約・整理のどこにAIを使えるかを確認します。