個別支援計画書をAIで作る前に決めること|放デイ・児発の内製化手順
個別支援計画書にAIを使う前に、任せてよい下書き、現場に残す判断、保護者向け説明、質チェックの流れを整理します。
個別支援計画書は、AIに丸投げする書類ではない
個別支援計画書は、支援方針そのものを示す書類です。AIは文章の下書き、観点の抜け漏れ確認、保護者向けの言い換え、過去記録の要約には使えます。ただし、本人の状態像、支援目標、優先順位、最終文面の責任は現場の専門職と管理者に残します。最初にこの境界を決めないままAIを入れると、速くなったように見えても、後から説明できない計画書が増えます。
入力情報は、個人情報ではなく支援上の構造に置き換える
利用者名、学校名、診断名、家庭状況をそのままAIに入れる運用は避けます。代わりに「小学生Aさん」「集団活動後に疲れやすい」「音への過敏さがある」「切り替え時に視覚支援が有効」のように、個人を特定しにくい形へ抽象化します。AI内製化では、この置き換えテンプレートを先に作ることが重要です。テンプレートがあれば、新人スタッフでも安全な粒度で入力しやすくなります。
個別支援計画書の入力例とプロンプト例
入力例は、本人像、支援目標、現在の支援、最近の変化、保護者へ伝えたいことに分けます。例: 本人像=小学生Aさん、集団活動後に疲れやすい。支援目標=活動の見通しを持って次の行動に移る。現在の支援=写真カードで流れを確認。最近の変化=声かけだけより、カード提示の方が着席までが短い。
プロンプト例: 次の情報をもとに、個別支援計画書の下書きを作ってください。支援方針を断定せず、現場職員が確認する前提で、本人像、長期目標、短期目標、具体的支援、保護者向け説明に分けてください。個人情報は増やさず、行政様式にそのまま出す前に確認すべき点も挙げてください。
この出力をそのまま採用しません。児発管または管理者が、本人像と目標がつながっているか、日々の支援記録と矛盾しないか、保護者へ説明できる言葉かを確認します。AIは白紙を埋める道具ではなく、確認しやすい下書きを作る道具として使います。
専門職向けと保護者向けを分けて下書きする
個別支援計画書では、専門職どうしで正確に共有する言葉と、保護者が日常で理解しやすい言葉がずれることがあります。AIを使う価値は、同じ支援方針を二系統の文章に分けられる点にあります。専門職向けには根拠と観察項目を残し、保護者向けには「何を、どの場面で、どう支えるか」が伝わる表現に直す。これを同時に作ると、書類作成だけでなく面談準備も軽くなります。
質チェックは、文章のきれいさではなく支援の一貫性で見る
AIが出す文章は整って見えます。だからこそ、チェック基準を持たずに採用すると危険です。見るべきなのは、本人像と目標がつながっているか、支援内容が日々の記録と矛盾していないか、保護者に説明できる表現か、行政様式の必須項目が落ちていないかです。YORIAIのAI内製化では、この質チェックリストを事業所ごとに作り、AI出力を現場の判断に戻せるようにします。
最初の3ヶ月は、1領域だけで運用を固定する
いきなり全利用者・全様式へ広げるより、まずは更新月の数件や、1つの様式だけで試す方が安全です。初月に業務棚卸しと入力テンプレートを作り、2ヶ月目に実際の下書きとチェックを回し、3ヶ月目にスタッフが自分で直せる状態へ寄せます。個別支援計画書のAI活用は、ツール導入ではなく、現場の言葉と責任の置き場所を整える内製化として進めるのが現実的です。
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