Column / ウェブ集客
就労移行支援・就労継続支援の利用者を増やす
紹介頼みから、検索・地図・見学で選ばれる導線へ
これまで利用者は、相談支援事業所やクリニックからの紹介で来ていた。口コミもある。 けれど新しいコースを始めても問い合わせが伸びず、ポータルサイトの上位プランに切り替えるべきか迷っている。 就労移行支援や就労継続支援の管理者の方から、そういう相談をいただくことがあります。
この記事では、利用者が事業所を探す経路を4つに分けたうえで、増やす順番を先に決めます。 流入を増やす前に確かめることが2つあって、そこを飛ばすと、費用だけ増えて契約が増えないことが起きるからです。
Quick answer
経路は「紹介」「ポータル」「検索と地図」「見学」の4つ。増やす順番は、契約率→取りこぼし→流入です。
- まず、月の問い合わせ数・見学数・契約数の3つの数を持ちます。無ければ今月から数えます。
- 見学からの契約率が高いなら、増やすべきは見学の数です。問い合わせが来ているのに見学に進まないなら、返信と案内の取りこぼしを先に直します。
- 流入を増やすのは最後です。順番は、自社サイトの最低限の整備 → Googleビジネスプロフィール → 記事 → LINE → 広告。
- ポータルの増額は、いまの問い合わせが見学に進んでいるかを見てからにします。
紹介が減ったのではなく、探し方が増えたんですよね
利用を考えている本人やご家族は、相談支援事業所や主治医に相談しながら、同時にスマートフォンで「地域名 就労移行支援」と検索し、地図で場所を確かめ、ポータルサイトで見比べています。 紹介は今も強い経路ですが、紹介された後に検索で確かめるのが当たり前になりました。 検索したときに何も出てこない、地図に写真がない、サイトに1日の流れが書いていない。それだけで、紹介された人も別の事業所へ行くことがあります。
3つの数を持つところから始めます
施策を選ぶ前に、次の3つを月ごとに数えます。
| 数 | 数え方 | 分かること |
|---|---|---|
| 問い合わせ数 | 電話・フォーム・ポータル経由・紹介の連絡を、経路別に | どの経路から来ているか |
| 見学数 | 実際に来所した人数 | 問い合わせから見学までの取りこぼし |
| 契約数 | 利用開始した人数 | 見学からの契約率 |
この3つが揃うと、詰まっている場所が1つに絞れます。 見学から契約はよく進むのに見学が少ないのか、問い合わせは来るのに見学に進まないのか、そもそも問い合わせが無いのか。打ち手は、それぞれ違います。
ポータルの増額の前に、確かめることがあります
ポータルサイトの上位プランは、閲覧数と問い合わせ数を増やす道具です。 ただ、いまの問い合わせが見学に進んでいないなら、閲覧が増えても同じ結果が増えるだけになります。 増額の前に、次の3つを見ます。
- 返信までの時間。問い合わせから返信まで、平均で何時間かかっているか。翌日以降になっているなら、ここが最初の取りこぼしです。
- 見学案内の分かりやすさ。見学の日時候補、場所、所要時間、持ち物、当日の流れが、返信の1通目に入っているか。
- 見学に来なかった理由。連絡が途切れた人に、理由を聞けているか。聞けていないなら、次からは1行だけ聞きます。
この3つを直してから閲覧を増やすほうが、同じ費用で契約が増えます。ポータルと自社サイトは対立するものではなく、併用が基本です。ポータルで拾えない検索を、自社サイトで受けます。
自社サイトに最低限あるもの
流入を増やす段階に入ったら、まず自社サイト(本部サイトのオフィスページでも構いません)に、次の5つがあるかを確かめます。 デザインより先に、利用を考えている人が知りたいことが書かれているかです。
- 所在地と通い方(最寄り駅からの道順、送迎の有無)
- 1日の流れ(何時に来て、何をして、何時に帰るか)
- 写真(訓練の様子、スタッフ、建物の中)。人の姿が写っているかどうかで、見学に進む率が変わります
- 見学の申し込み方(フォームと電話、返信の目安)
- 対象と利用までの手続き(受給者証の申請、相談支援事業所との関係)
地図、記事、LINE、広告の順に足していきます
- Googleビジネスプロフィール。地図で探す人の入口です。写真、営業時間、見学の申し込み先、卒業生の声を整えます。地図経由の問い合わせが月に何件あるかを、3つの数の「経路」に加えます。
- 記事。「地域名 就労移行支援」だけでは大手ポータルに勝てません。利用を考えている本人やご家族の疑問(受給者証の取り方、利用料、通所日数、就職までの期間、他の事業所との違い)に、自事業所の言葉で答える記事を1本ずつ増やします。
- LINE公式アカウント。「いますぐではない」人をつなぎとめる場所です。見学の予約、月1回の便り、イベント案内。問い合わせに踏み切れない人が、時間をかけて見学に進みます。
- 広告。最後に、地域と年齢を絞れる媒体を小さく試します。上の4つが整っていない状態で広告を出すと、着地先で離脱します。
AIに渡せるのは「下書き」と「整理」、残るのは「見学」と「雰囲気」です
- 記事の下書き(よくある質問への回答を、自事業所の言葉に直す材料として)
- 問い合わせへの返信テンプレートの整文(見学案内の5項目を漏れなく)
- 3つの数の月次集計と、経路別の一覧
- Googleビジネスプロフィールの説明文や投稿の下書き
一方で、見学の対応、写真に写る人の姿、事業所の雰囲気は、人にしか作れません。利用者が選ぶ理由は「アットホーム」「訓練が楽しそう」といった、数字にならないところにあることが多いです。 利用者の個人情報は入力せず、問い合わせ内容も個人が特定できない形に直してから使います。
今月から始めるなら、この順番です
- 問い合わせ・見学・契約の3つの数を、経路別に今月から数える。
- 返信までの時間を測り、見学案内の5項目を1通目に入れる。
- 自社サイト(またはオフィスページ)に、最低限の5つがあるか確かめる。無いものを足します。
- Googleビジネスプロフィールの写真と見学申し込み先を整える。
- 3か月後に3つの数を見直し、次に足すもの(記事・LINE・広告)を決める。
3つの数の持ち方から、自社サイト・地図・記事の整備まで、事業所に残る形で一緒に整えられます。
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集客というと、外に向けて何かを増やす話に聞こえます。けれど最初にやるのは、いま来ている人を数えて、取りこぼしを直すことでした。 そこが整うと、増やした流入がそのまま見学と契約になっていきます。
よくある質問
- 就労移行支援の利用者を増やすには、何から始めればよいですか?
- 最初に、月の問い合わせ数・見学数・契約数の3つを経路別(紹介・ポータル・検索と地図・その他)に数えます。見学からの契約率が高いなら増やすべきは見学の数で、問い合わせが来ているのに見学に進まないなら、返信までの時間と見学案内の分かりやすさを先に直します。問い合わせ自体が無い場合に、自社サイトの整備、Googleビジネスプロフィール、記事、LINE、広告の順で流入を足していきます。
- ポータルサイトの上位プランに増額したほうがよいですか?
- 増額の前に、いまの問い合わせが見学に進んでいるかを確かめます。返信が翌日以降になっている、見学案内の日時・場所・所要時間・持ち物・流れが1通目に入っていない、見学に来なかった理由を聞けていない、という状態なら、閲覧が増えても同じ結果が増えるだけになります。取りこぼしを直してから増額するほうが、同じ費用で契約が増えます。ポータルと自社サイトは併用が基本です。
- 自社サイトには、最低限何を載せればよいですか?
- 所在地と通い方、1日の流れ、訓練の様子やスタッフや建物の中が分かる写真、見学の申し込み方と返信の目安、対象と利用までの手続き(受給者証の申請、相談支援事業所との関係)の5つです。デザインより先に、利用を考えている本人やご家族が知りたいことが書かれているかを確かめます。人の姿が写っている写真があるかどうかで、見学に進む率が変わります。
- 集客の作業にAIを使ってもよいですか?
- 記事の下書き、問い合わせへの返信テンプレートの整文、3つの数の月次集計と経路別の一覧、Googleビジネスプロフィールの説明文や投稿の下書きには使えます。一方で、見学の対応、写真に写る人の姿、事業所の雰囲気は人にしか作れません。利用者の個人情報は入力せず、問い合わせ内容も個人が特定できない形に直してから使います。
参照した一次情報
- 厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」
- 厚生労働省「就労移行支援・就労継続支援に係る報酬・基準について」(令和6年度障害福祉サービス等報酬改定関連資料)
- 各都道府県・市の指定障害福祉サービス事業者一覧
この記事は2026年9月時点の公開情報と、複数の福祉事業所でのウェブ集客支援の経験にもとづく整理です。特定の媒体の効果や利用者数の増加を保証するものではなく、事業所の地域・種別・体制によって結果は異なります。制度に関する記載は最新の公式資料と所管の窓口でご確認ください。